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通好みのセンス

デザイナーのレベルでの交流を反映し、その後も日本文化をモチーフとした商品が次々と生み出されていった。茶道具入れのような通好みのものや、2003年には「ユカタ」という名のシンプルな部屋着など、近年では我々日本人が違和感なく使用できるものも少なくない。デザインの背景となる日本文化への理解も、年々高まっているようである。1991年に登場したスカーフ「日光」が1995年に再登場しているが、これは日光東照宮神輿舎の天井画にある、天女の舞がモチーフになったものだ。天女の優雅な浮遊の様子を単純に賞賛した1991年版の解説に比べて、1995年版の解説はモチーフの歴史的背景にも踏み込んだものになっている。「このスカーフのデザインにインスピレーションを与えたのは『鏡天井』。入母屋造りの神輿舎の天井に描かれた絵で、狩野派の絵師たちの作品である。その図案は、東洋の瞑想が意識の高揚を起こす瞬間を表現したもので、若い娘たちの飛翔の形で象徴されている。その希有の時、彼女たちの笑い声は歌になり、浮遊する姿は踊りを踊っているように見える。娘たちの奏でる音楽が聞こえてくる。その時、憐れな二本足歩行をする動物である人間は、物質的な煩悩で重くなった自らの平凡な魂に、翼を与えられる」竹をモチーフにしたスカーフ「平穏」(2001年春夏)の解説では、「日々の瞑想という日本の習慣」に言及し、渦をなす無数の桜に着物の男女が描かれた「一期一会」というスカーフ(2000年春夏)も登場している。