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体が知っている

先日、住宅展示場をみていた方が、私のモデルハウスを訪ねてみえた。若夫婦である。モデルハウスの床は無垢の木のフローリングなので、足の哀から伝わる感触が温かく、やさしいことを実感していただいた。建てて10年近くになるのに、ほとんど汚れていないことに驚かれたようだ。これから建てる家の設計のことなどを話し合い、かなりの時間を過ごされたのだが、その時、若夫婦がこう言われた。「住宅展示場にいるときは子供が『早く帰ろう』と何回も言うのに、ここでは何にも言わないね」。二歳のお子さんも「ここは気持ちいいよ」などと言うのである。お世辞など言えるはずもない小さな子供は、何か良くて、何か悪いのか、体で分かるのである。またあるときは、目の不自由な方がおいでになった。その方が玄関に入った瞬間、「空気がきれい。私のいるマンションの空気とは全然違う」といわれたのには、私のほうが驚いた。また、ドアの枠に手を触れて、「これはチークですね」と、すぐに言い当てたことにもびっくり。目が不自由なだけに、大切なことを体で素直に感じ取ることができるのであろう。つまり「体が知っている」のだ。住宅展示場にいると、臭いが気になって長くいたくなくなるが、私のモデルハウスにいると心が安らぐと、多くの方が言ってくださる。低ホルム、ノンホルム、規制基準値以内といわれても、違和感があれば体が教えてくれる。地球上に生命が誕生したのは三五億年前といわれているが、その命の積み重ねが培った防術本能といえる。体は正直なのだ。