コラーゲンというのは、骨、軟骨、腱、皮膚などをつくっている硬タンパク質で、比較的伸展性に乏しく、線維状に存在して連続休を構成し、細胞同士をつないで組織形成を助けている。からだを構成するタンパク質ではいちばん多く、全体の三分の一を占める。コラーゲン分子は、三本のペプチド鎖が左巻きの螺旋状によりあわされている。腱ではこれが平行な束になって非常に強固な構造に、皮膚では何層もの網状構造になっている。つまり傷痕を消すには、このコラーゲンの生成をコントロールできればよい。これが日常、目の前で起きていることに気がついた。カエルの変態である。オタマジャクシのしっぽは、ある時期にきゅっと無くなってしまう。しかも傷痕を残さない。これだと思った。しかし基礎研究は、臨床医が片手間にやる時代ではないとも思った。そこで、すぐに母校の教養学部で生物を教えている友人に電話した。すると、ちょうどフロリダでカエルの変態を専攻している、うってつけの男がいるという。よし、それだということで、さっそく北里の形成外科のスタッフとしておいでいただいた。
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